④戸籍を早く取りすぎる

 死亡届を役所に提出しても、戸籍に死亡の事実が記載されるまでには、1~2週間ほど時間がかかります。早く取りすぎてしまうと、戸籍を取り直さなければいけない事態になることがあります。

⑤故人の携帯電話を解約する

 訃報の連絡を故人の交友関係すべてに伝えることは非常に困難です。そのため、人づてに亡くなったことを知った友人や知人が、遺族に連絡を取る手段として、故人の携帯電話に連絡をしてくることが頻繁に起こります。そのため、故人の携帯電話はしばらく解約せず、ご家族がいつでも連絡を取れるようにしておきましょう。

⑥遺産の一部を使う(相続放棄する場合)

 故人に借金等の負の遺産がある場合、相続開始後に相続人が遺産を自分のために少しでも使うと、その使った人は相続放棄ができなくなります。

 ちなみに、遺産を葬儀費用に充てた場合は、自分のために使ったとは言えないため、相続放棄が認められたという裁判例があります。しかしながら、裁判例は絶対ではありません。相続放棄を考えている場合は、葬儀費用であったとしても遺産を使わないほうが無難です。いずれにしても慎重な判断が必要になります。
(本原稿は、橘慶太著『ぶっちゃけ相続「手続大全」ーー相続専門YouTuber税理士が「亡くなった後の全手続」をとことん詳しく教えます!』を編集・抜粋したものです)