【ワシントン】サプライチェーン(供給網)の混乱や人手不足、財政出動などが短期的なインフレ加速の原因に挙げられているが、長期的にはもう一つの力が働いている可能性がある。それは「脱グローバル化(deglobalization)」だ。  エコノミストや政策担当者は、グローバル化には物価を下げる効果があるとかねて主張してきた。実際、貿易障壁が取り払われると、国内企業はより安価な輸入品と競争せざるを得なくなった。技術の発達や貿易自由化に促され、企業は人件費の安い国々に生産を委託するようになった。