サプライチェーン(供給網)の混乱や人手不足、財政出動などが短期的なインフレ加速の原因に挙げられているが、長期的にはもう一つの力が働いている可能性がある。それは「脱グローバル化(deglobalization)」だ。エコノミストや政策担当者は、グローバル化には物価を下げる効果があるとかねて主張してきた。実際、貿易障壁が取り払われると、国内企業はより安価な輸入品と競争せざるを得なくなった。技術の発達や貿易自由化に促され、企業は人件費の安い国々に生産を委託するようになった。概してリベラルな移民政策のおかげで、低賃金労働者の多くは豊かな国に移り住んだ(ただし移民と賃金の関係は必ずしも明確でない)。
脱グローバル化の潮流、インフレに拍車か
関税、「バイ・アメリカン」、移民減少が物価に与える影響は
有料会員限定
あなたにおすすめ