思っていたものと違っても
返品するのがめんどくさい

 またネットショッピングで注意したいのは、「実際に手に取って見られない」ことによるリスクが、常につきまとうことです。「色やサイズ、素材感、デザインなどが思っていたものと違った」といったことがしばしば起こります。

 もちろんほとんどの場合、手軽に返品・交換できますが、その手軽さがまた問題です。「気に入らなければ返せばいい。交換すればいい」からと、商品をあまり吟味もせずに買ってしまう人が少なくないのです。

 不要なものを買わなくて済むのはいいのですが、返品・交換もたび重なれば、送料負担がお財布を圧迫します。

 また、実際に商品が自宅に届いてしまうと、たとえデザインが気に入らない服であったとしても「返品するのも、めんどくさい」という気持ちのほうが上回ってしまうこともよくあります。

 そして、「いつか自分の好みが変わるかもしれないし」と、返品しないことを正当化する理由をつくり出して、結局クローゼットにかけたままにしてしまう。こうして実際にはけっして使われることのない、“タンス在庫”を増やしてしまうのです。

 また、ネットには価格を比較するサイトが充実しています。

 これも便利ではありますが、失敗することが多いようです。

 せっかく前から欲しかった素敵な商品をいよいよ買おうと思ってネットを見ると、類似品で半額くらいの物がほかのメーカーから販売されており、思わずそちらを買ってしまった。でも実際に届いてみたら、「安かろう、悪かろうの粗悪品」だった――。

 そんな体験談もよく耳にします。

 リアルにせよ、ネットにせよ、買い物はすべからく「衝動買い」をせずに、「ひと晩寝かす」ことを鉄則とする。そんなマイ・ルールをつくってみてはいかがでしょうか。

 買うかどうかをしっかり判断するには、いったんは心を落ち着け、「考える時間」を持つことが大切です。