半分、減らす。写真はイメージです Photo:PIXTA

精神科医で禅僧の川野泰周氏の新著『半分、減らす。』からの一部抜粋で、生活すべてにおいて1/2を心がける「シンプル生活術」を指南。今回のテーマは「お酒の飲み方」。お酒好きな人は、つい「もう一杯」に手が伸びてしまいがち。とくにコロナ禍で増えている「家飲み」だと、飲みすぎに歯止めがかからないことも。いかにしてほどほどを守るか、その方法をレクチャーする。

酩酊すると「もう一杯」に
歯止めがかからなくなる

 お酒の好きな人にとって晩酌のひとときは、いつもがんばっているご自身への至福のご褒美だと思います。休日には昼間からお酒を飲む、それも最高のぜいたくだと思います。

 ただお酒というものはどうしても歯止めがきかなくなりがちで、「もう一杯だけ……」といいながら、どんどん杯を重ねてしまうという体験は、多くの方がされているのではないでしょうか。

「気がついたら、泥酔していた」「そのときはしっかりしていたつもりだけど、翌日に振り返ると記憶が飛んでいた」「席を立ったらまっすぐ歩けなくなっていた」といった経験をお持ちかもしれません。

 いわゆる「嗜好品」、たとえばコーヒーやタバコ、お菓子やアイスなど、つい摂取しすぎてしまうものはお酒以外にもいろいろあると思います。

 でも、お酒とそれ以外の嗜好品では、明確に異なる点があります。

 それは、お酒には「酩酊させる」作用があるということです。飲めば飲むほど、だんだんと理性の働きが弱くなっていき、体に悪いとわかっていても、「もう一杯」が止まらなくなってしまうというわけです。