富士急行、ハイランドでけが人続出の裏で山梨県知事との「格安賃料バトル」富士急ハイランドの絶叫アトラクション「ド・ドドンパ」で重傷者が少なくとも6人発生。山梨県が他のアトラクションでも運転停止を求めた。県知事と富士急は、実は別の問題でも対立している Photo:PIXTA

富士急ハイランドの絶叫アトラクション「ド・ドドンパ」で重傷者が少なくとも6人発生し、山梨県が他のアトラクションについても運転停止を求めている。長崎幸太郎県知事は、戦前から格安で富士急行に貸し出している県有地の賃料をめぐる裁判で富士急側を追及している。そんな中での事故続発となり富士急側はいかにも分が悪い。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

絶叫アトラクションで重傷6人
観覧車ではドア“全開”

 家族や友人と休日に遊園地に出かけ、首や背中の骨を折ったら、一体どんな気分になるだろうか。

 山梨県富士吉田市で富士急行が運営する「富士急ハイランド」において、園内の絶叫アトラクション「ド・ドドンパ」や「FUJIYAMA」などに乗った客の少なくとも14人が、骨折などのけがをした。

 とりわけ、富士急ハイランドがホームページで「発射1.56秒で時速180km!世界No.1の加速」などとアピールするド・ドドンパでは、乗客が首や背中を骨折し、6人が重傷を負った。最大で全治3カ月と診断された人もいる。

 ド・ドドンパでは、昨年12月からけが人が出ていた。にもかかわらず、富士急は今年8月に4人目のけがが判明するまで山梨県に報告していなかった。また11月24日には、従業員が、女性2人が乗った高さ50メートルの観覧車のゴンドラのドアを閉め忘れ、“全開”のまま運転していたことも発覚した。

 富士急の安全管理のあり方が厳しく問われる事態であることは間違いない。ド・ドドンパは8月以降、運転を停止しているが、県はそれ以外のアトラクションの運転停止を要請、富士急側が拒否している。

 県と富士急は、実は別の問題でも対立している。