カリフォルニア州サクラメント都市圏で暮らしていたザカリー・ディディエ君(17)は昨年のクリスマス直後、処方された鎮痛剤のようなものを服用したと両親は話す。この錠剤には、強力な麻薬性鎮痛剤「オピオイド」の一種であるフェンタニルが違法な形で含まれていた。両親は、フェンタニルが息子の死につながったと訴えている。ザカリー君を含め、フェンタニルの過剰摂取による死亡者は、今年4月末までの1年間で過去最多の10万人に達している。これは、米国内にまん延する違法薬物が、以前よりも毒性が強い危険なものになっていることを示している。主にメキシコの麻薬カルテルによって製造され、密輸されるフェンタニルは、以前にも増して米国の隅々にまで行き渡っている。他の薬物を装った錠剤の中に紛れ込ませる手法が増えており、それを服用する人々が、比較的害の少ない薬物だと思い込んでいるケースもある。
米の違法薬物、毒性強まる 死者増の原因に
オピオイドの一種「フェンタニル」が一段と普及
有料会員限定
あなたにおすすめ