命を守る防災対策その1

 新耐震基準以前に建てられた家やメンテナンスが不十分な家は、すぐに耐震診断を受けるべきだろう。一次診断ならば、10万~15万円程度の費用で行える。新耐震以前の建物の場合、自治体によっては無料でやってくれる場合もあるので、まずは各自治体の相談窓口に聞いてみるといいだろう。診断の結果、強度が不十分と分かったら、次は耐震改修だ。

「耐震改修というと莫大な費用がかかると思っている人も多いですが、実際には、全国平均で250~350万円、都内で150~250万円程度です。クルマ1台程度の価格で命の保証ができると思えば、高くないのではないでしょうか。自治体の補助が出る場合もあり、改修のためのローンも組めます。どうしても費用が足りない時は、特に弱い部分だけに絞って実施してもいいでしょう」

 診断にせよ改修にせよ、まずは自治体のホームページにアクセスしてみることをおすすめする。たとえば東京都なら「東京都耐震ポータルサイト」に、耐震診断の方法や相談窓口の情報が載っている。

「より安全な家を求めて
引っ越す」という選択肢

 より安全な家を求めて引っ越すという手もある。国崎氏は阪神・淡路大震災をきっかけに危機管理アドバイザーの道に進んだが、これまでの17年間に、安全な家を求めて3回引っ越ししたという。

「我が家の防災を考えるときに、引っ越しや耐震改修の必要性をお話しすると、多くの方が、そこまでは無理です、考えていません、とおっしゃります。しかし家というのは自分の財産すべてであり、家族の命を守るものです。今後、高い確率で再度日本に大震災がくることを考えるならば、これらの対策はまず最初に向き合わなければならないもの。決して大げさな話ではありません。それに人間誰しも就職や結婚、出産、といった転機に引っ越しをするチャンスはあるものです。住まいを変える人生の転機こそ、安全な家を手に入れる絶好の機会にもなるのです」

 さて、実際に家を選ぶとなったらまず大前提は、液状化の心配がない丈夫な地盤だ。自治体で公開しているハザードマップ、各地の図書館にある災害記録などを確認し、総合的な視点から強固な地盤を探したい。