デンソーPhoto:123RF

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はデンソーやブリヂストンなどの「自動車部品/産業車両」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

豊田自動織機は増収、デンソー減収
トヨタ系明暗分かれる

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の自動車部品/産業車両業界5社。対象期間は21年7~9月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・デンソー
 増収率:マイナス6.4%(四半期の売上収益1兆2261億円)
・ブリヂストン
 増収率:12.4%(四半期の売上収益8330億円)
・豊田自動織機
 増収率:22.4%(四半期の売上高6439億円)
・住友電気工業
 増収率:8.1%(四半期の売上高7827億円)
・アイシン
 増収率:マイナス1.5%(四半期の売上収益8872億円)

 自動車部品/産業車両業界の5社はブリヂストン、豊田自動織機、住友電気工業が前年同期比増収、デンソー、アイシンが減収となった。

 増収率の面で、明暗が分かれた要因は何だったのか。次ページ以降で詳しく解説するとともに、各社の増収率の推移も併せて紹介する。