ダイヤモンド決算報・秋#富士通Photo:123RF

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は富士通、NTTデータなど「システム/ソフトウェア」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

システム/ソフトウェア4社は
いずれも前年同期比増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のシステム/ソフトウェア業界4社。対象期間は21年7~9月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・富士通
 増収率:3.9%(四半期の売上収益8610億円)
・NTTデータ
 増収率:13.1%(四半期の売上高6213億円)
・野村総合研究所
 増収率:10.5%(四半期の売上高1493億円)
・NEC
 増収率:0.5%(四半期の売上収益7309億円)

 システム/ソフトウェア業界の4社はいずれも前年同期比増収となった。富士通は前回(21年4~6月期)、4社で唯一前年同期比減収となっていたが、今回は増収に転じている。その要因は何だったのか。

 次ページで詳しく解説するとともに、各社の増収率の推移も併せて紹介する。