野球の世界では、最も価値があるのはどんな選手なのかをめぐって終わりなき論議が行われている。価値があるのは、ホームランを打つが三振も多い選手だろうか、それともシングルヒットと二塁打しか打たないが打率が高い選手だろうか。政治の世界では、議会民主党とホワイトハウスが、上院で最小差での支配力しか持たないにもかかわらず、今年序盤にホームラン狙いの作戦を選択した。しかし、社会福祉と気候変動対策のための巨額歳出を盛り込んだジョー・バイデン大統領の「ビルド・バック・ベター(より良い再建)」法案に対し、同党のジョー・マンチン上院議員が19日に不支持を表明したことで、彼らはホームランを打てず、三振を喫した。今こそシングルヒットと二塁打を狙うべきではないか。