ビデオゲーム大手の誤算、新作そろって不発Photo:Jon Kopaloff/gettyimages

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 実績ある大手ビデオゲームメーカーでさえ、時にはヘマをする。各メーカーが同時にヘマをするのは、まれなことだ。

 年末商戦に想定外の展開が起こり、三大ゲームメーカーの大作がそろって不発となった。アクティビジョン・ブリザードの『コール・オブ・デューティ:ヴァンガード』は、批評家スコアがシリーズで最低となり、発売時の販売も低調と伝わった。エレクトロニック・アーツ(EA)の『バトルフィールド2042』も批評家受けが悪く、発売時には技術的な問題に見舞われた。テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエアの『グランド・セフト・オート:トリロジー』にもバグが発生し、この人気シリーズにしては珍しく批評家から酷評された。批評家によるスコア集計サイトのメタクリティックでは、今年のワーストゲームの6位に選ばれている。

 3作品とも11月に発売された。いずれも、エピック・ゲームズの人気ビデオゲーム「フォートナイト」など、オンラインの無料版ゲームとの厳しい競争にさらされている。マイクロソフトが昨年の大幅な遅れを経て12月8日に発売した『Halo Infinite(ヘイロー・インフィニット)』も、意外なほど好調だ。

 EA、テイクツー、アクティビジョンの3社は、最近発売した製品に関する財務状況をまだ公表していない。アクティビジョンは例年、『コール・オブ・デューティ』の新作発売後に何らかの最新情報を発表しているが、同社は現在、女性従業員の待遇に端を発した問題で社内が危機モードにある。