FRBパウエル議長パウエルFRB議長は、記者会見で「テーパリングと利上げの間に長い遅れが生じると予想しない」と述べ、2022年4-6月期にも利上げを開始する可能性を示唆 Photo:Alex Wong/gettyimages

米中銀は利上げを急ぐ
市場は緩やかな利上げを想定

 12月14日、15日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)は、資産買入の縮小(テーパリング)ペースを月額150億ドルから月額300億ドルに加速することを決定した。米連邦準備理事会(FRB)は、2022年3月には資産買入を終了させて、利上げを始める準備を整える見込みだ。パウエルFRB議長は、記者会見で「テーパリングと利上げの間に長い遅れが生じると予想しない」と述べ、2022年4-6月期にも利上げを開始する可能性を示唆した。

 12月のFOMCが公表したFF金利見通しは、2022年から2024年にそれぞれ0.75%、0.75%、0.50%の利上げを見込む回答を中央値として示した。FOMCは、2022年のコアPCEデフレータの上昇率見通しを+2.7%と、9月の+2.3%から大幅に上方修正し、2%を大きく上回るインフレ率が2022年末まで続くと予想している。これは、2022年の利上げ見通しを引き上げたのと整合的である。

 米金利市場は、2022年6月までに利上げが始まることを完全に織り込んでいる。その後も、米ユーロドル金利先物からみて、市場は、2022年と2023年にそれぞれ0.75%以上、0.5%以上の利上げを想定している。ただし、2024年中の利上げを十分に織り込んでおらず、市場が想定する利上げのピークは1.5%程度に止まる。