ストレスが肥満を促進するメカニズムとは?
しかし、飽食だけがすい臓に負担をかける原因ではありません。このストレス社会もすい臓に大きな負担をかけているのです。実は、ストレス時に分泌が高まる、血糖値を上昇させるコルチゾールなどのホルモンには、脂肪を蓄積する作用がある上に、インスリンを効きにくくする働きがあります。これをインスリン抵抗性と言います。
つまり、過食をしなくても、ストレスがかかること自体が肥満や体重増加につながるのです。食べすぎなくても、飲み過ぎなくても、ストレスだけで太りうるのです。
ストレス負荷が高まった人には以下のような食行動の変化が表れます。
・過食気味になる
・甘いものを極度に欲する
・お酒を飲む量が増える
ストレスがかかると、血糖値を高めるホルモンの働きが活発化するだけでなく、食べることで気晴らしをしようと食行動そのものが変わり、肥満を加速させてしまいます。
また、過度なストレスからうつ状態になり、不眠になる場合もあります。最近の研究では、睡眠不足も肥満を促進する一因であることがわかってきました。ストレスがたまってしんどいな、というとき、食べることでストレスを発散するのはよくあることですが、その悪循環を断ち切らない限り、肥満は改善しません。
気晴らしの制限は逆効果に
「お酒を飲んではダメ、甘いものは控えて」と指導するのは簡単ですが、それができるなら初めから肥満にはなっていないはずです。気晴らしのためにしていることを制限されると、余計にストレスがかかり、ダイエットには逆効果です。
お酒を飲むならこんなお酒を、甘いものなら何を一緒に組み合わせるか、さらに食べる時間帯をいつにするか工夫することで、食べる満足を得ながらも追加のストレスを生み出さないようにすることをおすすめします。
肥満を制するには、ホルモンを制すること。これが鉄則なのです。