夏場のダイエットに取り組む人にぜひ読んで欲しい1冊が『医者が教えるダイエット 最強の教科書』だ。発売直後から重版が続き、全国で大きな話題を呼んでいる。著者は、生活習慣病の専門医・牧田善二氏。最新の医学に基づき、最も効果的なダイエット法を解説した本書から、特別に一部を抜粋して紹介する。
主食の代わりに主菜や副菜をたくさん食べる
多くの人は1日に摂取する糖質の多くをごはん、パン、麺類などの主食から摂取しています。
主食を減らすことで、1日に摂取する糖質量を減らすことができますが、主食を減らすだけだと、どうしてもお腹が空いて、ダイエットを続けることが難しくなってしまいます。
毎日食事を楽しめた方がダイエットは長続きします。
主食を減らしたら、主菜や副菜を1品以上追加してみましょう。
肉や魚介、大豆食品、卵、乳製品、野菜、きのこ、海藻などは、たくさん食べても太りにくい食品です。
たとえば、メインの主菜が肉であれば、魚介、卵、豆腐などの主菜を一品追加します。タンパク質は体の材料となる大事な栄養素ですので、豊富にとります。
副菜や汁物では、野菜、きのこ、大豆食品、海藻をたくさん食べましょう。食物繊維が多く、糖の吸収を穏やかにする働きがあります。くわえて、代謝を促進するビタミン、ミネラルも含まれ、ダイエットを後押しします。
動物性食品の選び方
肉や魚などの動物性食品には糖質が少なく、たくさん食べても太ることはありません。
ただ、一律にすべて健康にいいというわけではないので注意してください
成育環境が大事です。たとえば牛肉なら、自然放牧されて育った「グラスフェッド(牧草飼育:自由に動き回れる自然環境で牧草のみをストレスなく食べて育った、という意味)」と呼ばれるものが一番です。
こうした牛からとれた牛乳でつくられたバターやチーズも、安心して食べていい食品と言えるでしょう。
しかし、実際には、大半が狭い牛舎で穀類のエサを与えられています。病気が流行らないように抗生物質も投与されています。それどころか、早く育つように肥育薬剤を注射されるケースもあります。
牛肉同様に、豚も鶏も、できるだけ成育環境が自然に近いものを選びましょう。
特に鶏肉は遺伝学の研究で長生きさせる効果があるとされています。
牛肉は1日平均で24g以上食べると女性では大腸ガンのリスクが1.62倍増えるという国立がん研究センターの研究報告がありますが、鶏肉は発がん作用も全くないので肉の中では一番おすすめです。
肉は、鶏肉、豚肉、牛肉の順におすすめです。
養殖の魚も、エサは人間がつくったものですし、狭い生け簀の中で育てられ、病気を防ぐためにさまざまな薬品も使われます。それよりは、天然の魚がいいのは言うまでもありません。
魚はサバ、サンマ、イワシなどEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富な近海の青魚がベストです。
食肉加工品を食べるべきでない理由
一方で、「食べないほうがいい」と明言できるのが、添加物の多い加工肉や練り物、魚卵製品です
加工肉を食べると、心臓血管系の疾病やがんにかかりやすくなることがわかっています。
ハムやソーセージ、ベーコンは、本来であれば茶色っぽいはずです。それを、発がん性が明らかになっている亜硝酸ナトリウムという発色剤で、きれいなピンク色にしてあります。
この発色剤は明太子などにも多用されています。ほかにも、練り物の食感を出すためのリン、日持ちを良くするための保存料など、なにかしら不自然な物質が添加されるのが加工食品です。
肉や魚はできる限り発色剤などの添加物が加えられていないものを、その成育環境が自然に近いものを購入するクセをつけましょう。
(本稿は書籍『医者が教えるダイエット 最強の教科書──20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』から一部を抜粋・編集して掲載しています)