夏場のダイエットに取り組む人にぜひ読んで欲しい1冊が『医者が教えるダイエット 最強の教科書』だ。発売直後から売り切れが続出し、全国で大きな話題を呼んでいる。著者は、生活習慣病の専門医・牧田善二氏。最新の医学に基づき、最も効果的なダイエット法を解説した本書から、特別に一部を抜粋して紹介する。
野菜、豆類、海藻、きのこをたくさん食べる
米や小麦は、糖質を効率的に摂るために人間が後からつくりだしたものです。
私たちの遠い祖先は、ときどき仕留めることができた肉や魚を除き、木の実や山菜、野草など植物類を主に食べて命をつないできました。
それだけで、さまざまな栄養素はバランス良く摂れていたのです。
当時と比べて、現代人の食事に圧倒的に少なくなっているのが植物性食品です。
ダイエットのみならず、健康のためにも、野菜(糖質の多いイモやカボチャは除く)、豆類、海藻、キノコといった植物性食品をもっと摂りましょう。
生活習慣病から身を守るファイトケミカル
植物は動物と違って移動は不可能なので、紫外線を避けたり、昆虫など外敵から逃げることができません。
そういう状態にありながら身を守るために、色素や香り、ネバネバした成分など「ファイトケミカル」と呼ばれる強力な抗酸化成分を持っています。
ファイトケミカルは、アントシアニン、イソフラボン、リコピン、クロロフィル、イソチオシアネートなどの免疫活性化物質の総称で、植物性食品を食べることで、私たちはそれらの効果を享受できます。
すなわち、免疫力を高め、感染症や生活習慣病から身を守ることができるのです。
ファイトケミカルは、色素の強いものが多く、次の表にあるように、色によって大まかな成分と作用がわかります。
どれか一つに偏るのではなく、いろいろな色を取り入れるつもりで食べるといいでしょう。
野菜はもちろん、豆類、キノコ、海藻も積極的に摂って欲しい植物性食品です。
私の患者さんには、豆腐をごはん代わりに食べている人もいます。納豆は、優れた発酵食品として知られています。
キノコや海藻は、糖質はほぼゼロで、まったく太る心配はありません。その上、腸内環境を整えてくれる食物繊維がたっぷりです。
糖質制限を行うと便秘になる人がいるのですが、それはごはんなどに含まれる食物繊維が減ったためと考えられます。
植物性食品をたくさん食べて、不足した分の食物繊維を補いましょう。
ちなみに、「MEC食(meat/egg/cheese)」という、肉と卵とチーズを中心に食べるダイエット法が一部で流行しています。
糖質が少ないのでたしかに体重は減るかも知れませんが、タンパク質過多となり健康を害します。
それよりも、ファイトケミカル豊富な植物性食品をたくさん食べてください。
生野菜だけでなく、おひたしや温野菜を
厚生労働省は1日に350gの野菜を摂るように推奨しており、私も毎日それ以上しっかり食べています。
しかしながら、たいていの人は350gにはとうてい足りていないはずです。一度、秤で量って、どのくらいの野菜を食べるべきなのか、おおよそのところを把握しておくと良いでしょう。
生のサラダに限りません。おひたしや温野菜にするなど火を通せば、たくさん食べやすくなります。
鍋も植物性食品をたくさん摂れるメニューですから、大いに食卓にのせてください。
(本稿は書籍『医者が教えるダイエット 最強の教科書──20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』から一部を抜粋・編集して掲載しています)