ダイヤモンド決算報・秋#損害保険Photo:PIXTA

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングスの「損害保険」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

損保3社は
いずれも増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の損害保険業界の3社。対象期間は21年7~9月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・東京海上ホールディングス
 増収率:7.5%(四半期の経常収益1兆4302億円)
・SOMPOホールディングス
 増収率:16.1%(四半期の経常収益1兆983億円)
・MS&ADインシュアランスグループホールディングス
 増収率:5.9%(四半期の経常収益1兆2529億円)

※SOMPOホールディングスは、収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 損害保険業界の3社はいずれも前年同期比増収だった。特に、SOMPOホールディングスは前年同期比で2桁増収となっている。この要因は何だったのか。

 次ページで詳しく解説するとともに、各社の増収率の推移も併せて紹介する。