パレスホテルに「リベンジ消費」は来ている?社長が答えた最大の変化とは吉原大介・パレスホテル代表取締役社長 Photo by Toshiaki Usami

パレスホテル東京は皇居に隣接する閑静な雰囲気が人気で、国内外の客をもてなしてきた。ところがコロナ禍でインバウンドが消滅し、宿泊事業は低迷。一方で外資系を含む高級ホテルが増え、競争は激しくなっている。パレスホテルの吉原大介社長に、リベンジ消費は起きているのかなどの近況と、2022年5月に全面建て替えから10年を迎えるパレスホテル東京の今後の展望を聞いた。(聞き手:ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)

緊急事態宣言が明けて
企業の接待需要が急増!

――パレスホテル東京において、「リベンジ消費」や「リベンジトラベル」をうかがわせるような動向は見られますか。

 ホテル内のレストランでは、10月の緊急事態宣言が明ける直前ぐらいから、企業の接待用途の予約が増えています。例えば日本料理店の和田倉は、日によっては満席のこともあります。

 ただ、個人のお客さまに関しては、夜はまだまだ回復していない。お食事をした後の2次会も、少ない印象です。

 久しぶりにいらしたお客さまが、いいお酒を召し上がるとか、多少そういうことは起きていますが、爆発的に何かが売れていることはないですね。レストラン部の売り上げが2019年の水準に戻りつつあり、リベンジ消費というよりも、ようやく元に戻りつつあるのかなという意識です。

――19年の水準に戻りつつあるだけでも、大きな変化では?