パレスホテル東京は皇居に隣接する閑静な雰囲気が人気で、国内外の客をもてなしてきた。ところがコロナ禍でインバウンドが消滅し、宿泊事業は低迷。一方で外資系を含む高級ホテルが増え、競争は激しくなっている。パレスホテルの吉原大介社長に、リベンジ消費は起きているのかなどの近況と、2022年5月に全面建て替えから10年を迎えるパレスホテル東京の今後の展望を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)
>>インタビュー前編『パレスホテルに「リベンジ消費」は来ている?社長が答えた最大の変化とは』から読む
宴会はハイブリッド型に
婚礼は総人数が減っている
――日本の大手ホテルは、宿泊に加えてレストランや宴会、婚礼の部門があり、それぞれがバランス良くシナジーを発揮するのが良いといった定説がありました。が、ウィズコロナ時代になると、根本から考え直すこともありますか。
宴会に関しては正直、どうなっていくのだろうと思いますね。ホテルで開催していたスクール形式のセミナーが、オンラインセミナーになっていく中で、今後はリアルとオンラインを合わせたハイブリッド型になっていくのかなと思います。
婚礼は一時期、延期するお客さまが多かったですけど、今はもう普通に行われています。今年は820組の受注見込みで、来年はコロナの大きな影響がない限り、1000組受注も視野に入っています。
――思ったよりも結構あるんですね。
組数はありますが、1組当たりの総人数が減っています。以前は1組平均80人強だったのが、今は60人弱ぐらい。例えば、職場の人は呼ばないなど、コロナの感染防止に配慮しつつ、婚礼を行われていますね。
――12年にパレスホテル東京を建て替えて以降、東京の高価格帯ホテルマーケットが様変わりしています。日系ではホテルオークラ東京が建て替え、帝国ホテルもいよいよ建て替えに着手しますし、かつ外資系ホテルがすごく増え、今後もまだ新しくできます。競争力をどのように維持しますか。