中国のインターネットサービス大手テンセントホールディングスの株主は、散々な目に遭った1年の後でようやくおめでたい気分に浸れそうだ。テンセントは23日、150億ドル(約1兆7000億円)余りに相当する中国ネット通販大手、JDドットコム(京東)の持ち株の大半を売却し、特別配当として株主に還元する方針を示した。これで京東への出資比率は約17%から2.3%に低下し、テンセントは筆頭株主ではなくなる。テンセントは京東がナスダックに上場した2014年以降、同社への投資を3倍余りに伸ばした。両社は、戦略的パートナーシップは維持する予定だ。株主が早めのクリスマスプレゼントを歓迎する中、23日にテンセント株は4.3%上昇した一方、香港上場の京東株は7.7%下落。大量の京東株が市場に流出することを、投資家は予想しておいた方が良さそうだ。中国政府がテク業界の取り締まりを強化したことが響き、京東とテンセントの株価はいずれも2021年序盤につけた高値から40%前後下げている。