「この株は売り? それとも買い?」「儲かる株はどっち?」まるで投資シミュレーションのようにクイズを解きながら「株で勝つ技術」を身につける画期的な1冊『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』が発売された。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの楽天証券・窪田真之氏。何万回にも及ぶ膨大な数のトレードから確立した「トレードで勝つ技術」を1冊に凝縮した本書から、特別に一部を抜粋して紹介する。
ボリンジャーバンドとは?
第5章では、私がファンドマネジャー時代に最も信頼していた「ボリンジャーバンド」から得られる売買シグナルを学びます。アメリカのアナリスト、ジョン・ボリンジャー氏が考案したことから、そう名付けられています。
ボリンジャーバンドとは、移動平均線と標準偏差から計算される2本の線のことです。
・「移動平均」ー(「標準偏差」×2)
この2本をあわせて、ボリンジャーバンドと呼びます。株価チャートに、移動平均線だけでなく、2本のボリンジャーバンドを加えると、株価のボラティリティ(変動性、略してボラ)変化を見るのにとても便利です。
次のチャートは、2019~2020年の日経平均週足チャートに、「13週移動平均線」と「2本のボリンジャーバンド」を引いたものです。
2020年2月、コロナショックで急落したところで売りシグナル、さらに急落すると買いシグナルが出ています。その後11月にも買いシグナル。シグナル通り売買していれば大成功です。
標準偏差とは?
ボリンジャーバンドを正しく理解するために、標準偏差に関する問題に挑戦してみましょう。
正規分布するデータで、「平均値±標準偏差」の範囲に全体の約何%のデータが入りますか? また「平均値±2標準偏差」では、約何%入りますか?
それぞれ以下から選んでください。
・A:約20%
・B:約68%
・C:約95%
次のグラフを参考に考えてみましょう。
これは、学生412人のテスト結果(得点別の人数分布)を示しています。
最低点は60点、最高点は100点、平均点は80点、標準偏差は7.1点でした。
平均点を中心に、ほぼ正規分布しています。平均値±標準偏差は72.9─87.1点、平均値±2標準偏差は65.8-94.2点です。