感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

精神科医が教える「何気ない冗談」に潜む落とし穴イラスト:カツヤマケイコ

冗談混じりで本音を言う人

きょうのひとことは、
「楽しくない冗談は言わないほうがいい」

ふだんの生活で、冗談めかして、ぜんぜん楽しくないこと言ってくる人はいませんか?

それがなぜ楽しくないのかというと、冗談めかして言ってはいるものの、冗談の形をした相手の本音だからです。

自分の本音を遠回しに言っているだけだったりするのです。

本音をそのまま言うとバツが悪かったり、「なんだ、この人」と思われたくない心理が働いたりして、ちょっと冗談めかして言ってしまう。

冗談めかしているのに楽しくないなと思ったら、この点を冷静に考えてみてください。

「冗談っぽいところを取り除いたら、どんなことが残るんだろう」と。

そうすると、相手の本音が見えてきます。

たとえば、なにかあったときに「それ、私にもちょうだ~い」と冗談めかして言ってくる人。

ここから冗談っぽいところを取り除いたら、真顔で「私にちょうだい」と言われているようなもので、ちょっと浅ましい感じがします。

ストレートにいうと恥ずかしいから、本音をオブラートに包むがごとく、冗談めかして要求しているんですね。

だから、冗談めかして言われても、ぜんぜん楽しくないし、どうやって対処すればいいか戸惑ってしまうんですね。

こうした表現方法がクセになっていると、「この人、めんどくさいな」と思われて、人が離れてしまいます。

あなた自身も何か言いにくいことがあったとき、無意識のうちに冗談めかして言って、相手に楽しくないと思われているかもしれません。

そういう表現の仕方は、ちょっと卑怯な印象も持たれてしまいます。

本来は正直に言うべきことを冗談めかして、「いや冗談なんだけどね」と遠回しでありながら、何かを要求する。

これは相手に対して、ちょっと不誠実とも言えます。

冗談めかして言うことによって相手が楽しくなってくれればいいのですが、そうでなければ言うべきではありません。

単純に相手がどう思うかを考えられていないだけなのです。

あくまで冗談は相手を喜ばせて、コミュニケーションを円滑にするためのサービスだと思います。

自分の本音を言いにくいから、言い逃れをしたいがために、冗談めかす。

そんなことをしないほうが相手の印象はよくなるし、相手と向き合わなくてはいけないときに、ちゃんと向き合えるようになると思います。

きょうのひとことは、
「楽しくない冗談は言わないほうがいい」
でした。

参考になったかしら?