それは、通常であれば日米がそれぞれ独自で行うような軍事訓練だった。昨年12月のある朝、米国の兵士と日本の自衛隊員らはカモフラージュを施したテントに一緒に入り、一方の国の航空機と、もう一方の国のミサイル発射装置を使って、不特定の国の艦船を想定した攻撃訓練を行っていた。その国とは、中国であったかもしれない。日本北方の海岸沿いの森の中では、計20人以上の米海兵隊員と自衛隊員が前屈みになり、地図とノートパソコンをのぞき込んでいた。その時突然、海兵隊の厳重に管理されたウェブページ上に、「交戦準備態勢に入れ」とのメッセージが表示された。これらは、地対艦ミサイルによる海上の標的の破壊を想定した米海兵隊と日本の自衛隊による初の合同軍事訓練だった。この演習では、日米双方のミサイル、航空機、艦船、レーダーを運用するため、両国の士官らが肩を並べて指揮に当たった。
日米軍事協力の深化、背景に中国の脅威
通常は独自に行う軍事訓練を共同で実施
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