選対委の立て直しに
乗り出した尹錫悦氏

 尹錫悦氏の陣営は3日、選対委の組織刷新のため、尹錫悦氏が外部活動を一時中断すると発表した。中央日報の記事などで尹錫悦氏の支持率が大きく後退していると報じられたことを受けたものである。

 一方の李俊錫代表はラジオ番組に出演、「もし今、候補が交代するなら、わが党は選挙を行わずして負けることになる」「党員全員が尹錫悦候補当選のため、各自の位置で役割を果たしてほしい」と表明した。李俊錫代表が尹錫悦候補で行くと言明したことは賢明である。

 また、李俊錫代表は「明らかに今の(国民の力への)支持率やさまざまな指標は悪くなっている。それは『候補者を誤ったからか、それとも補佐する人を誤ったからか』というと、補佐した人を誤ったからであるということを認めるべきだ」として選対委を批判。李俊錫代表は尹錫悦氏に選対委の全面再構成を要求した。

 ただし、李俊錫代表自身の選対委復帰については「私が入るかどうかは関係ない。選対委復帰の意思はない」とくぎを刺した。

 いずれにせよ、尹錫悦氏には厳しい情勢である。李俊錫代表を説得して支持を回復することが20代、30代の支持回復に直結する。

苦境を脱する対策を
尹錫悦氏は打てるのか

 尹錫悦氏は5日記者会見を開き、選対本部を解散すると表明、「実力のある若い実務者が選対本部を引っ張って行くようにする。特に今まで20代、30代を失望させたことを深く反省し、全く違う姿を見せることを約束する」と強調した。

 また経歴詐称で批判されている金夫人に関し、「私が一貫して持ってきた原則と基準は、私と私の家族、私の周囲にもすべて同じく適用する」と反省の弁を述べた。金氏が謹慎し、反省する姿をいかに見せるかが国民の支持回復に不可欠であり、出発点である。

 選対委の解散も内部の不協和音をいかに終息に向かわせるか難しい。尹錫悦氏は金鍾仁(キム・ジョンイン)委員長には感謝を伝え今後とも助言してくれるよう要請した。また、李俊錫党代表に対しては「大統領選挙のために党代表として役割をうまくすることを期待する」と述べた。

 尹錫悦氏と李俊錫代表の内紛が継続すれば尹錫悦氏に勝ち目はない。李俊錫代表とは過去のわだかまりを捨て、大統領選の公約や選挙後の政策立案に党の積極的な役割を求めるとともに、選挙運動を進める選対委にも李俊錫代表と気脈を通じる若者の代表の選抜を依頼するなど、明確な形で関係の改善を図っていくことが課題である(選挙をいかに戦うか、選挙後に如何に備えるかについて李俊錫氏との関係が重要であることは、著書「さまよえる韓国人」で解説した。しかし、それはまだできていない)。