だから人が離れていく……周りから「距離を置かれる人」が使うNGフレーズ

ビジネススキル「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術

2025年12月29日 7:30

「『なぜ、そう思うの？』は、絶対にNGです」
「なぜなぜ分析」をはじめに「なぜ？」という問いは“論理的に考える”ための「良い質問」だと考えられている。しかし実は「なぜ？」「どうして？」は、致命的な「解釈のズレ」を生み、噛み合わない会話＝「空中戦」を作り出してしまう元凶、「最悪の質問」なのだ。
「事実と解釈の違い。これに気づけていない人は、まだ確実に“曇りガラス”の中にいます」――。話題の新刊『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』では、世界・国内の各地で実践・観察を積み重ねてきた著者による「賢い質問の方法」＝事実質問術を紹介している。本書に掲載された衝撃の新事実の中から、今回は「ありがちなNG質問」について紹介する。（構成／ダイヤモンド社・榛村光哲）

だから人が離れていく……周りから「距離を置かれる人」が使うNGフレーズ

Photo: Adobe Stock

「なぜ？」で周りが離れていく

周りから「この人話しづらい…」と距離を置かれてしまう人が、無意識に使っている言葉があります。

それは、「押し付け型のなぜ質問」。たとえば、こんな聞き方です。

・「なぜ、そうしたんですか？」
・「なぜ、そう思ったんですか？」

一見、理由を知ろうとしているだけに見えます。ですが、この「なぜ」には、別の意味が含まれてしまいます。

「詰問型のなぜ」は厳禁

「なぜ、そうしたのか」この形で聞かれた瞬間、答える側は理由ではなく、防御に入ってしまいます。特に「何か良くないことをしたな」と思っている場合には、相手から言い訳を引き出してしまいます。

つまりこの質問は、理由を自由に話せません。
「その判断は妥当だったのか」を暗に問う、「詰問型のなぜ」なのです。

ここで問題なのは、言い方の強さではありません。質問の形そのものです。

事実をまず確認する

頭のいい人は、「なぜ」を使いません。理由を直接求めるのではなく、事実から入ります。

たとえば、こう聞きます。
・「それは、何時でしたか？」
・「誰からそのことを聞きましたか？」

ここで聞いているのは、事実です。考えさせずに、思い出させる聞き方をするだけで、回答の負担はグッと下がります。

周りから距離を置かれる人は、無意識のうちに、この「なぜ」を繰り返しているかもしれません。

考えさせるな、思い出させよ。理由を求める前に、事実を聞く。それだけで、会話の空気は大きく変わります。

（本記事は『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』の一部を抜粋・調整・加筆した原稿です）