コロナ・ブレイクスルー感染者、変異株への「スーパー免疫」を獲得している?写真はイメージです Photo:123RF

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンを接種済みの人が新型コロナウイルスに感染した場合には(ブレイクスルー感染)、デルタ株に対する強力な免疫応答が生み出されることが、新たな研究で明らかにされた。研究グループは、この強力な免疫力は、他の変異株に対しても有効な可能性があると見ている。米オレゴン健康科学大学(OHSU)准教授のMarcel Curlin氏らによるこの研究結果は、「JAMA」に12月16日掲載された。

 この研究は、米ファイザー社製のワクチンを2回接種した52人の医療従事者を対象にしたもの。対象者の半数(26人)には、ブレイクスルー感染が確認されていた。その内訳は、デルタ株感染が10人、デルタ株以外の変異株感染が9人、残りの7人は不明の変異株への感染だった。Curlin氏らは、対象者から採取した血液検体を生きた新型コロナウイルスに曝露させた上で、ウイルスのスパイクタンパク質受容体結合ドメイン(RBD)に特異的なIgG、IgA、およびIgM抗体と中和抗体の抗体価を調べた。