通算25勝目を飾った小林陵侑 Photo:Jasmin Walter/gettyimages

小林陵侑は「金メダルに最も近い選手」

 北京冬季五輪で「金メダルに最も近い選手」の一人が、スキージャンプの小林陵侑(土屋ホーム)だ。

 スキーのジャンプ陣は「日の丸飛行隊」の名でも知られ、数々の栄光を記録している。だが、金メダルとなると実は長野五輪ラージヒル団体を含めて3個。個人では、1972年札幌五輪70m級の笠谷幸生、98年長野五輪ラージヒルの船木和喜の2人しかいない。小林陵侑が北京で頂点に立てば24年ぶりの快挙となる。

 小林陵侑は昨年12月18日のW杯個人第8戦(スイス)で2位になり、通算38度目の表彰台、98年長野の金メダリストの船木に並んだ。年末年始のジャンプ週間でも開幕3連勝を飾り、W杯今季6勝目、通算勝利も25に伸ばした(1月6日時点)。シーズン途中でコロナ陽性が判明しブランクはあったが、復帰後は北京五輪に向けて順調な仕上がりを見せている。

平昌五輪後に見せた「突然の目覚め」

 小林陵侑は、2018年平昌(ピョンチャン)五輪で初めて代表に選ばれ、個人ノーマルヒルで日本人最高の7位に入賞している。このときはまだ「期待の新鋭」といった存在で、メダルを期待されるほどではなかった。だが、五輪後のW杯個人第16戦で過去最高の6位に入り、飛躍の片鱗を見せてシーズンを終えた。

 そして次の2018-19年シーズン、小林陵侑は周囲が目を見張る躍進を遂げる。