女子モーグル日本代表のエースとして、2014年の現役引退まで冬季五輪の出場5回全てで入賞するなど、活躍を続けてきた上村愛子氏。特集『総予測2022』の本稿では、次世代の選手育成にも力を注ぐ同氏に、北京冬季五輪の注目点や自身の経験を語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
男子は堀島選手がメダリスト最右翼か
女子は川村選手や柳本選手に注目
――北京冬季五輪でどんな点に注目していますか。
東京五輪では選手たちのプレーを通じて、五輪はたくさんのパワーや元気、ポジティブな気持ちを与えるものだということを感じました。北京冬季五輪でも、アスリートたちが競技に精いっぱい取り組み、全力でパフォーマンスする姿を見せてもらえると思います。どの競技もアスリートの方々も楽しみですが、やっぱり私としてはモーグルに大注目です。
男子では、堀島行真選手が一番メダルに近いと思います。彼は技術的にも世界でトップ争いを続けていて、2021年12月4日のモーグルワールドカップ(W杯)開幕戦でも3位に入りました。もともと高い力を持つ中、精神的な落ち着きや技術を安定的に出せることにも取り組んでいて、その成果は開幕戦でも見て取れました。
モーグルの日本チームの中でも一番期待できる選手なので、本人はプレッシャーもあるようですが、素晴らしい戦いを見せてくれるのではないかと思っています。
女子では、川村あんり選手(21年12月11日のW杯第2戦で初優勝)はもちろん、柳本理乃選手(同12日のW杯第3戦で2位)にも注目しています。彼女はエア技術の難易度が女子選手の中で一番高いものを持っていて、W杯や五輪のコースにぴったりはまったとき、驚くような技を出すのではないかと楽しみです。
――現役選手には、自らのどんな経験を伝えていますか。