住宅ローンを組む際、「毎月返済額」で考えると危険!
さらに、変動金利型ローンには、身の丈以上のお金を借りてしまう危険性もあります。
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住宅ローンを組む際、多くの方は「自分がちゃんと返済できそうかどうか」を「毎月返済額」で考えます。「毎月10万円なら返していけそう」「月々15万円だと、家計が苦しくなりそうだな」などというように、今の生活に重ね合わせてイメージしやすいためでしょう。
しかし月々の返済額が同じであっても、選ぶ金利タイプによって借りられる額は大きく変わります。たとえば35年ローンで、毎月返済額を11万〜12万円と仮定した場合、金利2.5%で借りられるのは3200万円。これが金利1.0%だと、4000万円も借りられることになります。
「毎月11万〜12万円くらいなら返済できる」などと判断するのは、危険です。変動金利型の場合、当初の金利が約束されているのはたった6カ月間だけですから、「毎月11万〜12万円ずつ返済していけば予定した返済期間で完済できる」保証はどこにもありません。先に見た通り、金利が上がればローン残高の減りは遅くなります。60歳になって「ローン残高が1500万円も残っていた……」という悲劇が起きるおそれのあるローンを「返せるローン」とは言えないでしょう。
また、金利が上昇して返済額が再計算され、毎月の返済額がアップすれば、日々の家計も回らなくなるおそれがあります。ちなみに、35年ローンで4000万円借りた場合、金利を2.5%で計算しなおすと、毎月の返済額は14万円を超えてしまうのです。もし金利が上がった時に返済が苦しくなるおそれがあるなら、それは「借り過ぎ」ということ。借入額は、金利が上昇した場合でもスムーズに返済できる範囲にとどめておかなくてはなりません。
私がFPとして3000件以上の家計を見てきた経験から言うと、一般的な世帯年収が600万〜700万円前後の会社員の方の場合、4000万円は借りすぎです。かなりの頻度で繰上げ返済をしなければ、60歳完済は難しいでしょう。厳しい言い方かもしれませんが、その年収であれば、無理なく返せる借入額は3000万円が限度です。それ以上借りてしまうと将来に不安が残ってしまいます。