「頭金ゼロでもOK!」「毎月、家賃並みの返済額で買えます」「住宅ローンの返済額は、年収の25%以内までなら大丈夫」——住宅のチラシや不動産会社の営業マンのセリフには、「マイホームを買いたい」という気分を盛り上げ、「自分にも買えそう」と感じさせるセールスポイントが盛り込まれています。
しかし、こうした売り文句を信じて住宅ローンを組むと、「ビンボー生活まっしぐら」ということになりかねません。「銀行も不動産会社も教えてくれない、正しい住宅ローンの選び方」、第2回は、売り手側の情報にひそむ“落とし穴"をチェックしましょう。

売り手側のセールストークに惑わされてはいけない!

 マンションなどの住宅チラシで素敵な写真や間取り、設備などの情報を見て、「そろそろマイホームを買いたいな」「こんなマンションに住みたい」などと気分が盛り上がった経験をお持ちの方は多いでしょう。

深田晶恵(ふかた あきえ)  ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年、北海道生まれ。外資系電機メーカーを退職後、96年にFPに転身。日本経済新聞、日経WOMAN、日経ビジネスAssocie等でマネーコラムを連載中。国土交通省「住宅ローン商品改善ワーキングチーム」および「消費者保護のための住宅ローンに係る情報提供検討会」、住宅金融普及協会「住宅ローンアドバイザー運営委員会」委員を歴任。こうした委員会で金融機関と不動産事業者に住宅ローンのリスクの説明を義務づけるガイドライン作りを提唱するのが目下のライフワーク。主な著書に『30代で知っておきたい「お金」の習慣』『「投資で失敗したくない」と思ったら、まず読む本』他多数。
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 そこでチラシに掲載されている住宅ローンの返済例に目を向けると、頭金ゼロで毎月の返済額は家賃とあまり変わらないプランが載っていたりします。「賃貸に住み続けて家賃をずっと払うのはもったいないし、買った方がトクかも……」と思うのも、無理はないと思います。

 こうしてすっかり「マイホームを買いたい!」と熱くなった状態でマンションのモデルルームや住宅展示場に出かけていくと、今度は営業マンが「消費税アップの前が買い時です」「低金利の今を逃してはいけません」と購入を煽ります。

 さらに、「年収から逆算するとこれくらいの物件はラクに買えます」「頭金ゼロでも大丈夫です。頭金をこれから貯めると、金利が上がっていくかもしれませんから、低金利の今のうちにローンを組んで買ったほうがおトクですよ」などと聞かされれば、「急いで買ったほうがいいかな」と気持ちは焦るばかりです。

 しかし、こうした営業マンのセリフは、すべて「物件を売るためのセールストーク」にすぎません。

 マイホームを買いたい気持ちでいっぱいのときにはなかなか気がつかないものですが、売り手によって提供される情報は、内容が偏るものだということに注意が必要です。

 もしあなたが営業マンのセールストークに乗せられて無理な住宅ローンを組み、万が一、ローン返済が困難になっても、住宅の売り手には何の責任も発生しないことを心に留めておかなくてはならないのです。