ソクラテスが告訴された罪状

 ソクラテスに論破された逆恨みから、彼に深い憎悪を抱いた人々は、ついにソクラテスを告訴しました。以下のような罪状です。

 「アテナイの国家が信じる神々とは異なる神々を信じ、若者を堕落させた」

 これに対してソクラテスは、公開裁判で堂々たる反論を行いますが、死刑が確定します。

 ソクラテスには刑の執行を逃れる機会もあったと伝えられていますが、法の裁きを遵守し、毒ニンジンの杯(さかずき)をあおり刑死しました。

 以上が、ソクラテスの人生について語り継がれてきた素描です。

 この本では、哲学者、宗教家が熱く生きた3000年を出没年つき系図で紹介しました。

 僕は系図が大好きなので、「対立」「友人」などの人間関係マップも盛り込んでみたのでぜひご覧いただけたらと思います。

(本原稿は、13万部突破のロングセラー、出口治明著『哲学と宗教全史』からの抜粋です)