株式投資で資産を築き、入社4年目の26歳でFIREを果たした『投資をしながら自由に生きる』の著者が、最速で「お金と時間の自由」を得るための方法を伝授する。その方法は、一般的なFIREとは、まったく別の概念だ。FIRE達成者の多くは、いずれ何らかの仕事をするようになる。ひと通り自由を味わうと暇を持て余してしまい、社会とのつながりを得るためにも、結局は仕事をするようになるのだ。ならば、最初から時間と場所に縛られない自由度の高い仕事をしつつ、経済的自由を謳歌する方法を選択するべき。本当の自由を最速で得るたった1つの方法、それは「投資×小さな起業」だ。

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「本当の自由」の経済的条件

本書では、次のようなゴールを目指します。

「本当の自由」の経済的条件
収入(投資家+ビジネスオーナー)>支出(生活費+人生を楽しむためのお金)

上が収入の軸で、下が支出の軸になります。

ポイントは上の収入の軸が、投資家とビジネスオーナーによる2つの収入のみで構成されている点です。

どちらも「自分の時間をほとんど使わなくても収入を維持できる」のです。

この条件をクリアするのは、ほかにも印税・著作権・特許権などによる収入もあります。

しかし、ふつうの会社員にとって印税・著作権・特許権による収入を得るのはハードルが高いので、本書では投資家とビジネスオーナーという2つの軸で収入を得ることを基本戦略とします。

本書が目指すゴールでは、収入を維持するために自分の時間を使う必要がある会社員やアルバイトの「労働収入」は除外されます。

あくまで目指すのは「お金と時間の自由」を同時に得ることです。そのためには、最終的には投資家とビジネスオーナーによる収入だけでまかなっていく必要があるのです。

収入の2本柱
【投資家】 他人のビジネスにお金を投じて得る収入
【ビジネスオーナー】 自分でビジネスのオーナーになって得る収入

投資家は他人のビジネスに対してお金を投じるのに対して、ビジネスオーナーは自分で直接ビジネスを所有してコントロールします。自分でビジネスを所有すれば、自分の裁量で自由にコントロールできますが、自分の時間をそこに費やす必要が出てきます。

ただし、ビジネスの基盤さえできてしまえば、そこから先は最低限のメンテナンスだけで収益を得られるようになります。

一方で、株式投資などで他人がやっているビジネスに投資をする際は、他人任せになるため、自分でビジネスを完全にコントロールすることはできません。

しかし、投資先の選定と売買のタイミングさえ間違えなければ、自分の時間をほとんど使わずに収益を上げることができます。

「自分のビジネス」「他人のビジネス」の両方を収入の柱として持つことが、「本当の自由」への近道になるのです。

一方、支出は次の2つに分かれます。

支出の2本柱
【生活費】
食費・家賃・水道光熱費・通信費・医療費など最低限必要なお金
【人生を楽しむためのお金】
趣味・娯楽・旅行・交際費など人生を豊かにするためのお金

生活費は「生きていくために必要な最低限のお金」です。いまの生活を維持するために必要な支出で、これがなくなってしまっては生活に支障をきたすというお金のことです。

しかし、自分では必要だと思っていても、実はなくてもまったく生活に支障のない支出が、このなかにけっこう紛れ込んでいます。

そうした支出は「浪費」になるため、思い切って切り捨ててしまうことで、より早く目指すゴールである「お金と時間の自由」にたどり着くことができます。

モノを極力持たず、生活費を切り詰める「ミニマリスト」のような生き方で、ストレスなく自由に生きている人もいるようですが、それでも人生を楽しむためのお金は、ある程度必要でしょう。

趣味や娯楽が制限されてしまっては、人生の楽しみが失われ、なんのために生きているのかわからなくなってしまうからです。