特に多いと感じるのが「楽しい運動をした後」に食欲が増してしまうパターン。コロナ前であれば、「みんなでサッカーをした後は、ビールがおいしくてついつい」「週末に仲間と皇居ランをした後のランチがおいしくて……」というように、運動と食事がすでにセットされていることも多かったですし、ひとりでも、運動そのものが楽しくて爽快感があると、食欲が増すのはある意味自然なことといえます。しかもそれって、「いけないこと」ではないですよね。

 ただ、痩せるために運動を始めたのなら、努力が水の泡になるのはもったいない! そろそろ「痩せるための運動として自分に合っているのは何なのか?」の考え時です。前述の担当者Aさんも「有酸素系でエネルギー消費を増やそうとするよりも、筋トレをして引き締める方にシフトした方が、食欲増加問題も起きなくて良いのかもしれない」と考え直したそうです。

 体力があって胃腸も丈夫なタイプの方は、どんな運動をしても「かえっておなかがすいてしまって……」と食事量と体重が比例して増加しやすい傾向が見られます。増えた食事量が、「タンパク質」や「野菜」だったら良いのですが「お酒」や「炭水化物」だったら要注意。自分を追い込むレベルの筋トレなど、楽しさよりも疲労感を感じる方向性の運動を試してみるのもオススメです。

運動が続かない人は「散歩」から始めよう

 とはいえ、Aさんのように、一定期間何かしら運動を続けられること自体がすごいこと。「運動したら痩せるのはわかるけど、続かないんだよなぁ」という方も多いと思います。そんなときは、まず「散歩」から始めるのはどうでしょうか。

 エネルギー消費量はそれほど多くなかったとしても、「家にいる時間が増えた分、口寂しくてつい間食が増えてしまう」という方には特に有効だと思います。家から出ることで、食事量の増加に歯止めをかけることができれば、少なくとも体重増は防げるはず。そこからさらに一歩進んで、ごはん1膳分のエネルギー消費をしようと思ったら、軽めの散歩なら1時間程度。いつもはバスや電車、車で行っているところにたまには歩いていく、というのも良いのではないでしょうか。ちなみに、ジョギングなら20分程度で同程度のエネルギー消費量ができますから、短時間で結果を出したい方はやはり運動強度を強めると良いでしょう。