就職人気企業ランキング 2023年卒早期調査#3Photo:PIXTA

コロナで様変わりした環境下で学生の意識はどう変わったのか。特集『就職人気企業ランキング 2023年卒早期調査』では、2023年卒の「文系男子」「文系女子」「理系男女」の就職人気企業ランキングを作成した。#3では、理系男子・理系女子のランキングをお届けする。(調査・分析/株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソース経営企画室 室長 高村太朗)

理系男子はIT・メーカーの人気継続
NTTデータが2年連続で首位に

 コロナ禍にあっても業績を伸ばしている大手企業に人気が集まる傾向は理系男子も同様だ。

 コロナの感染拡大によりビジネス環境が大きく変わる中、DXに対する企業の関心は引き続き高い。それを背景に業績が好調なIT系大手のNTTデータ(1位)、野村総合研究所(3位)、Sky(9位)がトップ10にランクインした。

 2年連続で1位となったNTTデータは、32期連続で増収となったほか、3位の野村総合研究所も売上高、営業利益が日本基準で過去最高を更新。両社共に学生の知的好奇心に応えるインターンシッププログラムを提供しており人気を集めた。

 9位のSkyは、人気俳優を起用したCMなど圧倒的なPR展開で年々知名度が向上している。また、コロナで導入企業が増加したテレワークの課題に応える法人向けパッケージソフトが好調だ。

 加えて、文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」がコロナで大幅に前倒しされたことも大きい。生徒1人に端末1台を配布し、高速大容量の通信ネットワークを整備するという同構想に適したタブレット端末を提供し、大幅に業績を伸ばしている。

 大手電機メーカーは、コロナによる巣ごもり需要でゲーム・ネットワークサービスや音楽などエンタメ事業が業績をけん引。2021年3月期に初めて純利益が1兆円を突破したソニーグループが7位、リーマンショック以降、「選択と集中」で社会インフラとITに軸足を定め、純利益で最高益を更新した日立製作所が8位に入った。トップ10に常連2社が並び、理系ランキングらしい顔触れとなった。

 ITや電機メーカー大手の復権を受け、一時期理系男子の上位を独占した総合商社は、伊藤忠商事(2位)、三菱商事(5位)の2社がトップ10入りするにとどまった。

 このほか、NTT都市開発(4位)、三井不動産(6位)と不動産デベロッパーが2社、DXを活用した損害サービス・デジタルモデル「人の力とデジタルのベストミックスによる安心・快適な事故解決プロセス」がグッドデザイン賞を受賞した東京海上日動火災保険(10位)がトップ10にランクインした。