この2人の年収の差は「○○の分野では、この人でなければならない」というパーソナルブランド力の認知の差が大きくかかわっています。
つまり、年収300万円の公認会計士は、単に公認会計士の資格を持っている「公認会計士のAさん」という形でしか知られていませんが、年収3000万円の公認会計士は、自分の周りだけでなく、たくさんの人々に「○○のことなら、○○で困った時には公認会計士のAさん」と知られているということなのです。
その結果、少々価格が高くても年収3000万円の公認会計士のほうに仕事が殺到することになり、結果として収入の差が大きく出てしまうのです。
最初のステップで自分のビジネスモデルを作りましょう、という話をしましたが、重要なのは、せっかく身に付けた自分のビジネスモデルも誰にも知ってもらえなければ意味が無いということです。 つまり、アウトプット(発信)しなければ、存在しないも同じということなのです。
アウトプットを意識し、実践していくことは、ビジネスモデルを作る以上に重要なのです。
発信をためらう日本の経営者たち
アウトプットが重要である、ということは少しお分かりになっていただけたのではないかと思います。同時に、自分はなかなかできないな、と思われる方が多いのではないでしょうか?
なぜでしょうか?それは、日本人の気質に深くかかわっています。
というのも、日本人のメンタリティとして、アピール=自己主張をするということに対して、良いイメージを持っていない傾向があります。それは何故か?日本人は多くの場合、主張するということを相手と勝ち負けを争うことと混同しているからです。そのため、アピールすることは、良くないことだと思ってしまう傾向があるのです。しかし、本来の自己主張の意味とは、あくまでも自分の考え方や自分自身を、相手に納得して理解してもらうということです。理解してもらうとは、相手に受け入れてもらえるよう、相手の立場や状況を、まず自分自身が理解する努力をしなければなりません。つまりは、相手に対する思いやりの気持ちを忘れずに、自分をわかってもらう行為がアピールである、という本来の意味を把握していないために、アピールすること自体を避けてしまう傾向があるということです。
また、ここは日本人の良いところでもあるのですが、正しいことをしていれば誰かが見てくれるだろう、だれかが認めてくれるだろう、と思っている人が多い傾向があります。こうした背景は、日本においてパーソナルブランドを早く構築する人は、大きな果実を得ることができるということになります。