マイホームの購入は
結婚を諦めることではない

 金額や物件への当初からの条件を満たす新築マンションを買ったpippiさんだが、実は購入を検討するなかで、「独身女性だから」という理由で苦労した出来事があったそうだ。

「初めてモデルルームの見学に行ったとき、営業の人が『こいつは独身女性だから買わないだろう』と、不誠実な態度だったんです。たとえば、隣との壁の厚さを聞いても『200~280ミリくらいです』と曖昧な答えだったり、二重天井かどうかを確認してくれなかったり。さらには、『新築より中古のほうがいいんじゃないですか』とまで言われました」

 極端な事例かもしれないが、“独身女性のマイホーム購入は難しい”というレッテルを張る人も、営業担当者の一部にいるようだ。だが、今や経済的に自立している女性も多く、30代後半であれば住宅ローンの返済も十分に可能。独身女性だから、と対応を怠るのは明らかな間違いだろう。

「そのほかのモデルルームの営業担当者には誠実に対応してもらえました。ただ、1度、嫌な意味ではなく、『ご両親は反対されてないですか』と聞かれたことはあります。私の家族の場合は、『あなたの決めたことなら了承する』というスタンスでしたが、なかには実際に契約寸前までいっても最後に家族から止められるケースもあるようです」

 また、独身女性のなかには「もし今後結婚することになったら」と考えてマイホーム購入をちゅうちょする人もいるだろう。だがpippiさんは、その点に柔軟な考えを持っている。

「独身が家を買うと、『結婚を諦めた』『今後の人生の変化を考えていない』と思われがちかもしれません。ただ、実際に購入した独身女性のなかで、それほど決意を固めていた人はほぼいないと思います。いつか結婚したら、相手を私の家に呼んでもいいし、手放す必要があったら賃貸に出すか売ればいい。でも、マンションは何歳でも買えるものではなく、ローンや健康状態によって時期は限られます」

 マイホームを買ったからといって、即人生が決まるわけではない。今後、どんな生き方を選んでも資産が残る方法として、独身のままマイホームを検討する人は増えていくはずだ。