昨年は米国の労働生産性があまり高まらなかったが、今年は違うかもしれない。米労働省が3日発表した2021年10-12月期の非農業部門の労働生産性は前期比年率換算で6.6%上昇した。大きな伸びではあるが、5%もの低下を記録した7-9月期から持ち直したにすぎない。21年通年の伸びは1.9%で、20年の2.4%や、新型コロナウイルス流行前の19年の2%を下回った。これはつまり、米国は今、生産性の向上を必要としているということだ。時間当たりの生産高が増えれば、生産にかかる労働コストはそれだけ下がる。生産性の伸びが高ければ、企業は価格を据え置いたまま販売量を増やすことができ、利益の拡大や労働者の賃上げが可能となる。「賃上げが利益率を圧迫するのではないか」とか「持続的なインフレを受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が経済にブレーキをかけるのではないか」などと投資家が懸念している時に、生産性の伸びが拡大すれば大歓迎されるだろう。