中国は2008年の北京夏季五輪の際、世界に畏敬の念を植え付けることを楽観的に目指し、それに成功した。当時の中国経済は好況下にあり、他国との関係は総じて友好的で、タイミングはほぼ完璧だった。夏季五輪の開会式では、2008人のパフォーマーが太鼓を打ち鳴らし、北京の夜空を五輪の花火が彩った。米国を含む自由主義諸国は、中国の前進を称え、自由世界の秩序に少しでも近づかせる機会として、この五輪を歓迎した。民主主義国家にはならないとしても、少なくとも資本主義的な国家として発展が進むことを期待したのだった。そして中国は、称賛と最多の金メダルを獲得した。4日開幕の冬季五輪でホスト国を務める今の中国は、世界の評判をあまり気にしない確固たる超大国になっており、良い評価を得る可能性ははるかに小さくなっている。今回の冬季五輪では、中国が変わると思っている者は誰もいない。
冬季五輪の隠れたテーマ 「中国を受け入れろ」
友好的だった08年夏の北京五輪、今大会は力と権威の象徴に様変わり
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