電気自動車(EV)や携帯電話の電池に不可欠な素材であるリチウムを米国内で探す取り組みが続いているが、未開発の大規模な供給源がカリフォルニア州南部の巨大な湖の下で沸き返っているかもしれない。米国は現在、リチウムのほぼ全量を輸入に依存している。ただ、地下の地熱塩水の中にリチウムが大量に含まれていることが、これまでの研究で明らかになっている。地熱塩水とは多くの鉱物や金属が混在する超高温の塩水のこと。問題は、こうした供給源から商業規模でリチウムを抽出できるかどうかが未知数であることだ。カリフォルニア州のソルトン湖では、ウォーレン・バフェット氏の複合企業「バークシャー・ハザウェイ」が所有する会社を含む3社がリチウム生産プロジェクトを推進している。これらのプロジェクトは、最新技術の要となるリチウムの供給確保を熱望するさまざまな政府の支援に支えられている。最近のリチウム価格は、ここ何年も見られなかったペースで上昇している。その背景には、サプライチェーン(供給網)の障害の深刻化と、テスラなどのEVメーカーによる需要の急拡大がある。