自民党が圧倒的な勝利を収めた。事前の予想通りの結果ではあるが、改めて小選挙区制の厳しさが、各政党とも身に染みたに違いない。

 しかし、これは敵失によるものだ。2009年の総選挙では民主党が大勝して、政権交代の期待が膨らんだが、見事に裏切られた。その反動が自民党を勝たせたのだ。もし自民党が、今回の勝利を自分の力だと過信すれば、次の参議院選で手酷いしっぺ返しを食らうことになるだろう。

 さて自民党の大勝によって、次の首相は安倍晋三氏になる。前回の健康問題による政権投げだしの記憶が未だ生生しく蘇るが、今回は絶対にじっくりと安定した政治を行ってほしい。

 現在は、誰がリーダーになっても難しい。選挙で12党も乱立したように国民の考え方が多様化しているからだ。選挙で多数を占めたからといって、なんでもやりたいようにできるわけではない。

なされるべきことを考える

 リーダーの条件とはなにか?

 ドラッカーの『経営者の条件』(ダイヤモンド社)を参考にしてみよう。

 彼は、リーダーには8つの習慣が必要だという。

 ①なされるべきことを考える。
 ②組織のことを考える。
 ③アクションプランをつくる。
 ④意思決定を行う。
 ⑤コミュニケーションを行う。
 ⑥機会に焦点を合わせる。
 ⑦会議の生産性をあげる。
 ⑧「私は」でなく「われわれは」を考える。

 この8つだ。これに従って新政権のリーダーについて考えてみよう。