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性交渉を条件に女性に金を貸し付ける「ひととき融資」の多くは、裁きを受けることなく今もなお世にはびこっている。背景には、ひととき融資の捜査における難しさがある。前編に続き、事例を挙げながら詳しく解説する。(東京情報大学教授 堂下浩)
「ひととき融資」の事件は
なぜ表面化しないのか
生活に困窮した女性に対して、性交渉を条件にお金を貸し付ける――。「ひととき融資」の事件では、被害者となった女性はその被害経験を語ることを嫌がる傾向が高く、被害届も提出されにくい。
さらに、貸し手の男が経済的に余裕のある場合には、金銭的に厳しい融資条件を課したり、悪質な回収を行ったりしないことから、ひととき融資が事件として表面化する機会は抑えられる。
2019年に大阪府警がひととき融資をヤミ金融として初めて摘発したことで、その猥褻性の高い手口が社会に広がっている実態は知られるようになったが、これは氷山の一角である。
実際には警察が捜査を開始しても、十分な証拠が得られず捜査が打ち切られるケースも珍しくない。さらには次の事例のように、検察側の判断により不起訴となったものも決して少なくない。
男からの性的要求がエスカレート
それでも「不起訴処分」になったワケ
40歳代の男Eはインスタグラム「個人間融資」のアカウントを通じて個人間融資を行う旨をネット上で公表していた。女Fはこのアカウントを通じて、男Eから10万円程度の融資を受けていた。
女Fは男Eからの借り入れに際して「借用書」の作成に応じた上で、担保として裸の動画を送付することには同意したものの、あくまでも契約の範囲は元本と利息という金銭の返済に留まるという前提であった。







