バブルか否かはそのときにはわからないが、予兆を捉えることはできる。筆者が考えるバブルの4条件を伝授しよう。この4条件に照らすと、昨年はかすかにバブルのにおいがしていたようだ。バブルだとすれば、投資してはいけないのだろうか。(経済評論家 塚崎公義)
今はバブル?ヒントを得る術とは?
株価が1月に急落したため、バブル崩壊を心配した人も多いのではないだろうか。そもそも、昨年の株価はバブルだったのだろうか。そして、本稿執筆時点では乱高下が続いているが、今もバブルは続いているのだろうか。
バブルには2種類ある。一つは誰もがバブルだと知っている場合だ。それでも、「明日は今日より高いだろうから今日買って明日売ればもうかる」と考える投資家が踊っているのだ。
こうしたバブルでは、強欲な愚か者が踊っているように思えるかもしれないが、合理的な面もある。「合理的バブル」と呼ばれる場合もあるほどで、ニュートンもこのタイプのバブルに参戦した(結果は悲惨だったようだが)と伝えられている。
もっとも、最近ではそうしたバブルは政府や中央銀行(日銀など)がつぶすので、大きくなることはめったにない。強いていえば、ビットコインは合理的バブルに分類できよう。適正な価格から大きく乖離(かいり)しているというのがバブルの定義だとすれば、そもそも適正な価格が存在しないのだから、バブルといってよい。
ビットコインでバブルが成立し得るのは、局所的なバブルだからだ。経済全体への悪影響が小さいと思われる一方で、国際的な取引なので一国の政府と中央銀行がバブルをつぶすわけにもいかない。
最近の株価や地価のバブルは、「もう一つのバブル」である。それは、バブルだという証拠がないままに膨らんでいく。従って、政府や中央銀行が「バブルの疑いがあるからつぶそう」と思ってもつぶせないのだ。
バブルだとわかっていれば、「バブル崩壊の悪影響を防ぐためにバブルをつぶそう」と言えるのだが、バブルか否かがわからないのに株価や地価を抑え込もうとすると、株価上昇などでハッピーな人々から猛烈な反発を食ってしまう。
というわけで、最近のバブルはつぶれるまでバブルだと確信できない。従って、現状がバブルか否かはわからず、将来つぶれたら、さかのぼってバブルだったと言うしかない。
しかし、少しでもバブルか否かを判断するヒントが欲しい、と思うのが人情だ。筆者も、筆者なりの4条件を考えて、バブルのにおいがするか否かを判定することにしている。それを以下にご紹介したい。