アメリカでも、およそ7割のアクティブファンドが
インデックスに負けていた!

 では、投信先進国であるアメリカで設定されているファンドは、どうでしょうか?

 先ほどのデータと同様に、米国籍の米国大型株式ファンドで過去10年間のトータルリターンがS&P500指数を上回ったアクティブファンドの比率を調べると、2021年4月末時点で28.5%過ぎませんでした。

 アメリカでも、およそ7割のアクティブファンドがインデックスに負けていたのです(下図上段)。

 それでは、ヨーロッパで設定されているファンドはどうでしょうか?

 同じように欧州籍の株式ファンドも、惨憺たる結果でした。

 2020年12月末時点で、過去10年間のトータルリターンがインデックスを上回ったアクティブファンドは、米国株式ファンドで5.38%、グローバル株式ファンドで2.15%、新興国株式ファンドで6.02%しかありませんでした(上図下段)。

朝倉智也(あさくら・ともや)
モーニングスター株式会社 代表取締役社長
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。98年モーニングスター株式会社設立に参画し、2004年より現職。第三者投信評価機関の代表として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。
主な著書に、『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『つみたてNISAはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『iDeCoで自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。