世界最大のスマートフォン(スマホ)メーカーは、1年に及ぶインフレと部品コスト上昇という問題の打開策は価格抑制にあると考えた。今年の新作発表で先陣を切った韓国サムスン電子は9日、旗艦モデル「ギャラクシーS22」の3機種をお披露目した。価格は昨年の水準に据え置き、基本モデルは800ドル(約9万2300円)、大型の「ギャラクシーS22プラス」は1000ドル、6.8インチ画面でタッチペン「Sペン」内蔵の最上位モデル「ギャラクシーS22ウルトラ」は1200ドルで販売する。原材料や部品、輸送費の高騰により、世界的に数十年ぶりのペースで物価上昇が進んでいる。サムスンのモバイルビジネス部門社長の盧泰文氏は、出荷台数が1年間伸び悩んだことを受け、購買層を拡大するためコスト上昇分を価格に転嫁しない方針を示した。「この価格設定は戦略的な判断だ」とした上で、「最も重視したのは、価格が手頃で手に入れやすいデバイスだと消費者に感じてもらうことだ」と述べた。