新型コロナウイルス感染症の症状のひとつに、高い熱があります。場合によっては40度くらいまで上がることもありますが、高熱が出ていても酸素飽和度が規定値に達しないと「軽症」と判断され、宿泊療養もしくは自宅療養になります。さらに、ひどい咳の他、下痢の症状が出る患者もいることがわかっています。感染症専門家の岡田晴恵氏が上梓した『新型コロナ自宅療養完全マニュアル』(実業之日本社)の一部を抜粋・編集し、オミクロン株の状況に合わせて内容を更新して、今備えるべき知識を伝えます。(白鴎大学教育学部教授 岡田晴恵)

高い熱が出てきたら、どうすれば良い?

 発熱時にはまず、検温をきちんと行います。食後は食べ物を消化するためにどうしても体温が高くなるので、時間をおいてから測ります。悪寒は、熱の上がり始めに生じやすい症状です。その際は「全身の保温」を意識して、できるだけ体を冷やさないことが大切です。

 一方、熱が上がって顔がほてったり、カラダが熱くなったり、手足が熱くなったら、体にこもった熱を発散させます。薄着にしたり、毛布を外すなど、「涼しく」してあげましょう。

 熱を下げるには、首の後ろや太ももの付け根などの太い動脈部分を冷やします。汗をかいた場合は、濡れタオルで全身をさっと拭きます。また、発熱で汗をかくので、水分補給はこまめに行いましょう。

 それでは、咳がひどい場合は、どのように対処すべきでしょうか。