錠剤を持つ手写真はイメージです Photo:PIXTA

滋賀県の女子高生誘拐死亡事件で注目を集めた「オーバードーズ」が、若者の間で深刻化しているという。ドラッグストアなどで手に入れやすい市販薬が使われる例も多く、なかには死に至るケースもある。なぜ若者はオーバードーズに手を出してしまうのか。薬物依存の治療に詳しい精神科医の松本俊彦氏に聞いた。(清談社 田中慧)

オーバードーズが
仲間とつながるツールに

 オーバードーズとは、適正量を超えた医薬品を過剰摂取すること。近年は若者が市販の医薬品を用いてオーバードーズを行うケースが目立っている。

「問題なのは服用の量だけでなく、本来の病気を治す目的以外の、より深く眠りたい、嫌なことを忘れたい、といった自己破壊的な願望による薬物乱用が行われていることです。特に、10~20代前半の女性の乱用者が多く、一見真面目に見えても、内心には人に言えないストレスやトラウマを抱えている人がほとんどです」