大手塾で算数講師の経験を積んだ後、算数専門のプロ家庭教師として約20年間、2000人以上のお子さんを指導してきた中学受験専門のカリスマ家庭教師・安浪京子先生は、その経験から「ノートをひと目見ると、その子の学力がわかる」と言います。
ノートとは、思考を整理して、それを自分や相手(採点者)に伝える練習をするための基本の道具。しかし、子どもはもちろんのこと、保護者ですら、ノートの価値を低く見積もっている方が多いそう。6年生でもノートの書き方を知らない子は多く、その状態のまま、受験勉強に励んで伸び悩んでいる子は多いのです。
本連載では、「ノートの正しい書き方を知らずして、学力は上がらない」と断言する安浪先生が、指導の中で必ず教えるノート術を初公開した話題の書籍『中学受験 必勝ノート術』の中から、一部を抜粋し、ご紹介していきます。(本書をさらに詳しく紹介した動画もチェック!)

子どもが陥りがちなNGはだいたい同じ

前回の記事で、子どもが陥りがちなノートの間違った使い方の5つのうちの2つ紹介しました。今回はその続きです。大人なら当たり前のことが子どもにはできていないことが多々あります。

3、左上から書いていない

【中学受験】<br />子どもが意外に<br />できていない<br />算数ノートの書き方

 子どもは好きなところから適当に書き始め、すぐに改行する羽目になったり、ノートの下まで書いてから上の空いているスペースに式を続けて書いたりします。

 算数は左から右へ、上から下へと式を書いていくことを徹底します。

4、式・計算の書きすぎ、端折りすぎ

【中学受験】<br />子どもが意外に<br />できていない<br />算数ノートの書き方

 暗算できるものまで式や筆算を書く必要はありません。しかしその一方で、端折りすぎもよくありません。

 この「書きすぎず、端折りすぎない」のバランスは子どもによって異なるため、最適な塩梅を家庭で見つけていくことになります。わからない場合は、式はとにかく全て書きましょう。

5、思考過程や間違いを消してしまう

【中学受験】<br />子どもが意外に<br />できていない<br />算数ノートの書き方

 子どもは「間違い」や「バツ」が嫌いなので、間違っていると気付くと全部消そうとしがちです。でも途中で解き方を間違っていることに気付いても、消しゴムで消さずに残しておきましょう。

 自分の解き方を見直してミスを発見する過程は、算数の力をつけるために必要不可欠です。

 算数の書き方5か条を満たしたOKノートは本書のP59をご覧ください。