欧州諸国に痛みをもたらしているエネルギー価格の高騰が、米天然ガス生産会社と世界的な資源商社などにとっては大きな恵みとなっている。ロシア産ガスの欧州への供給が細り、ロシアによるウクライナ侵攻の脅威がくすぶる中、暖房や発電燃料として欠かせないガスの価格は高止まりが続く。フランス電力や独ユニパーなど欧州公益会社にとってはガス価格の高騰が収益の大きな打撃となっているほか、英国ではエネルギー供給業者の経営破綻が相次いだ。消費者にも光熱費の大幅な値上がりとなって跳ね返っており、欧州各国で政府の頭痛の種となっている。半面、シェニエール・エナジーやキャメロンLNGといった米国の液化天然ガス(LNG)供給会社にとってはまたとない追い風が吹く。いずれもガス不足に悩む欧州市場に過去最大規模のガスを供給している。歴史的な高値で欧州へガスを届ける資源商社や国際ガス市場のボラティリティーが商機となる資産運用会社も、多額の利益を手にしている。
欧州エネ危機、勝ち組は米LNG業者と資源商社
米国は世界最大のLNG輸出国に
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