定年後にフリーランス・業務委託で働くなら要注意!税・社会保障の違いあり写真はイメージです Photo:PIXTA

最近、定年後に「フリーランス」や「業務委託」として働く人が増えています。フリーランスであれば、勤務地・勤務時間・業務命令…といった会社からの要請を受けません。雇用されているわけではないので、嫌な仕事を断ることもできるでしょう。得意とする業務だけを選んで、働くこともできるかもしれません。仕事の単価が高ければ、会社員の時よりも多くの報酬が得られることもあります。しかし、フリーランスとして働くことは、メリットばかりではありません。そこで、本稿では、フリーランスの税や社会保険の扱い、独立・起業する際に注意しておきたいポイントをご紹介します。(社会保険労務士 井戸美枝)

フリーランス・業務委託で働くため必要な知識

 2021年4月施行の「改正高年齢者雇用機会安定法」で、個人と会社が「業務委託契約を結んで70歳まで働く」という形が認められました。

 たとえば、「65歳で独立・起業した元社員と取引をする」といったケースも、「雇用」の一つとして想定されているのです。当然ですが、会社員として働くことと、フリーランス・業務委託で働くことは、大きく異なります。

 フリーランスになれば自分で仕事を選んで働くなどのメリットもありますが、デメリットもあります。仕事がなければ収入がありませんし、場合によっては、取引先と報酬や仕事内容を交渉することもあるでしょう。一部例外を除いて労働法が適用されないため、全て自分の責任において仕事を行うことになります。

 さらに、社会保障においても、会社勤めよりも厳しい点がいくつかあります。私自身も30年以上フリーランスとして活動していますが、最初は戸惑うことも多かったように記憶しています。

 将来自分がフリーランスになる場合もありますし、周りにフリーランスや業務委託の同僚や知人がいる人もいるでしょう。押さえておくべき違いを確認しましょう。