アップルは2020年9月通期に4万7430トンの温室効果ガスを排出したと明らかにした。これにサプライヤーによる生産や輸送、顧客の製品利用に伴う排出量を加えると、合計では推定2200万トンに上るという。これらの数字は投資家や顧客にとって、アップルがどれほど環境に優しい会社かを判断する材料になる。連邦規制当局は現在、上場企業に対して温室効果ガス排出量に関する情報開示を義務づける方向で規定の策定を進めている。だが、サプライヤーや顧客の排出分について、どこまで詳細な情報を求めるかを巡り、内部の協議が難航している。争点となっているのは、企業のサプライヤーや製品を利用する顧客による排出量が大半を占める「スコープ3」だ。この間接的な排出量が、新たな規定を策定している米証券取引委員会(SEC)内で最大の論点に浮上している。
気候リスク開示規制に遅れ 米SECの協議難航
争点は企業のサプライヤーや顧客による温室効果ガス排出量「スコープ3」
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