この店は初めてという30代の日本人女性2人組に話を聞いてみた。グーグルマップで「良さそうだったから」来たとのこと。注文したホットコーヒーは「クリーミーで飲みやすい」と好評。もうひとりの女性は、初トライのテンペに少し戸惑いの笑みを浮かべた。

「豆を発酵させたものと聞いていたので、納豆のようなものを想像していたんですけど、全然違いますね」

テンペフライ Photo: Diamondテンペフライ Photo: Diamond

 コピカリアン・ジャパンのカントリーディレクターのケニー氏は、ジャワ島出身。祖父の代から家業でコーヒーを作っていたとのことで、その知識の豊富さは折り紙付き。「インドネシアから出店したカフェということで、インドネシアのコーヒー文化を日本の皆さんに紹介したい」と意気込む。

マンデリン、トラジャ、コピ・ルアクの産地

 日本でインドネシア産コーヒーといえば、なんといってもマンデリンが昔から有名だ。トラジャや、世界一高価なコーヒー豆として知られるコピ・ルアク(ジャコウネコのフンから採れる)といった近年はやりの品種を聞いたことがある人も多いのではないだろうか。

 日頃チェーンカフェでコーヒーを飲む筆者は、数年前に初めてインドネシアでコーヒーを飲み、最初の一口で「今まで飲んできたのと全然違う」と驚いた。

 インドネシアはもともと世界的なコーヒー大国だ。2020年の統計によると、インドネシアはブラジル、コロンビア、ベトナムに次いで4番目に大きなコーヒー生産国。さらに、同国にはユニークなコーヒーの飲み方がたくさんある。例えば、ジョグジャカルタには「コピジョス」という熱々の炭を入れて飲む方法があるし、スマトラにはドリアンと混ぜて飲む「コピドゥリアン」なんてものまである。